デメルラブ!歴史と格式を感じる超いぶし銀シュトーレン

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実はもう一個あるんです。

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これ。

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はい、DEMEL(デメル)のシュトーレンです。

そもそも洋菓子経験値が低い私にとって、とりあえず知っている限りの超大御所のひとつがオーストリアの王家御用達パティスリーDEMEL。
そんなDEMELで、どんなものなのか定義さえもおぼろげな(私のなかでね!)シュトーレンを買う。
これが、めちゃおいしいってなったら僥倖。
好みじゃないなあってなっても上から目線で「そうかーDEMELってそういうところあるよなー」などとニヤニヤしながら分析できるわけで少なくとも損した気分にはならない。むしろ向上心が湧く。
やっぱ名門パティスリー、最高ですね。

まあ、シュトーレンといえばドイツってイメージですが、ドイツというよりゲルマン系の文化らしいですから、オーストリアのDEMELはど真ん中と言っても差し障りがないはず。

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などと、ごちゃごちゃ言うものの、DEMELのお菓子を買ったらまずは、そのオシャレすぎるパッケージを舐めるように見回すのが楽しみなわけでして。

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これ。

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この独特のタッチ。

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ふふふ。

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あー、やっぱかわいいなあ。

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サイドもぬかりナシ。

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パカリと開けても当然かわいいのです。

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さて、と持ち上げると、くー、重い。
いや、紙袋を受け取った段階から想像はついてましたよ。

そもそもめちゃ大きくて、めちゃ重い。
いいねー食べごたえありそうですねー。

さあビニール袋から出しましょう。

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なんだろう、この包み紙。
しっとり触感でめちゃ分厚く、なんていうか、高級紙そのものという感じ。
こんなん触ったことないなあ。
50万円とかするブランドバッグなんかを包むべき紙なんじゃないの?これ。

というか、この段階で、驚くべき香りの量。
まだ姿を直視してないのに、紙の奥から重厚な洋酒が香るんです。
「ぷぁん」とかじゃないです。「ぶわあああん」です。

もう、8帖くらいの部屋のすべてを瞬時に支配する感じの芳香。
先だっての記事のノアドゥブールのシュトーレンも洋酒の香りがすごい!って思っていたけど、レベルが違う。

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はい、お出ましです。
やっぱ大きいなあ。

その表面はザリザリ食感の糖衣。
グラスアローとか言われるやつですかね。それと粉砂糖の中間って感じのものがびっしり付着してます。
淡い粉雪のような粉砂糖もシュトーレン感抜群ですが、これはこれでいいものですね。

さあ、入刀しましょう。

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DEMEL(デメル)
クリストシュトーレン
3024円
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ん?切った手に伝わってくる感じがパンっぽい。

ていうかパッと見た感じ、レーズンしかないじゃんかーってなりました。
ドライフルーツもナッツも控えめですよね。
よくよく凝視したら、少しは入ってるんですが。

つまりはこれ、小麦粉だらけってことですか。
見るからにバター・牛乳・玉子はかなり控えめっぽい、ストイックで硬派な雰囲気の生地がどっさり。
そこにレーズンだらけ?これはひょっとして、うーん、あー、ひょっとしてですがあまり期待できない感じなのかな?と多少の不安を覚えつつ、何はともあれ、食べてみます。

すると、ん?ってなりました。
生地が、なんかねっちょりしているんですよ。

いや、「ねっちょり」だけじゃ言い表せてない。
舌に触る感じはパサツイているのに、水分量は少なくなくて、全体的にまとまってネチョッと…粉ふきいも的な?
ちなみに小麦粉グルテン的なネチリ触感ではありません。糖のねっちょりです。

なんだろうこれ。
なんかよくわからないけど、フツフツとおいしい。
噛み締めておいしい。
食べれば食べるほどおいしくなっていく。

断面を見た感じのとおり油脂感などなど、いろいろな要素がどれもけっこう控えめ。
さらにスパイス感、甘み、これらも控えめなのは確かです。

が、噛みしめるたびに、各要素のしっかりした味わい、チープとは対極の精錬どっしりした味わいが舌を支配していくんです。
それでいてふと気づけばゴージャスな洋酒の香りですからね。
あれ?あれ?となりながら、何度も何度もフォークを口に運んでしまいます。

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ちなみに洋酒は、年数が経ってそうな香り。
8年ものとかじゃなくて、もっともっとブランデーに近くなるくらい熟成されたグラム単価高そう…ってなる香りです。
これは罪深いぞ。
お菓子から香っていい芳香じゃないぞ。

もしかして開封して数日経つと、この洋酒の香りが落ち着いてきて、後ろに控えていたその他要素がどんどん前に出てくるのかもしれませんね。

レーズン以外だとレモンピールが意外や多めの割合で入っていてそれがこのねっちょりの重みをふっとばしてくれる。

結論。
実においしい。

老若男女誰にでもおいしいポップな要素に欠けていることは確かかもしれません。
が、シュトーレンってすごいな…って思わせる貫禄がすごい。

例え話が下手なのであまり言いたくないのですが、それでも例えるならば、わかりやすく華美なデザイン性の代わりに美しいシルエットと生地のテクスチャーを楽しむ上質なウールのコートのよう(カシミヤって感じではない)。
20代じゃない、30代でもまだ到達できない、40歳を超えた人間にしか醸せない余裕と重み、のような貫禄が漂うシュトーレンでした。

うーん、この巨大なひとかたまりを食べ終えるころには何か大切な含蓄を得られるような、得られないような。

やっぱすごいなDEMEL。
食べてよかった。

※おまけ、店頭の様子。
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「DEMEL」(デメル)
オーストリア・ウィーンの洋菓子店・カフェ。
1786年創業。
オーストリア=ハンガリー帝国帝室・王室御用達の老舗として知られるお店。
モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトなんかもココのお菓子を食べているはず。
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