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大地とショコラ
10個入
6696円
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「サロン・デュ・ショコラ2018」で買ってきたセレクションボックス(ぜんぶ違うショコラティエの作品が一気に食べられるもの)全レビュー。
最後の4箱目「大地とショコラ」の感想をお届けします!
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おや、他のボックス(「アヴァンチュール」、「GOKAN」、「ワールド チョコレート マスターズ」)とは随分デザインの趣きが違いますね。
なんともカラフルで、楽しい箱です。

こちらのボックスの商品説明を見ると、〈世界のさまざまな産地のカカオの個性や魅力を、それぞれのトップショコラティエが引き出しています。ショコラの美味しさの舵をとるのはなんてったってカカオ!カカオを探す旅で出逢った良質な豆たちが、天才たちのクリエーション魂に火をつけています〉とのこと。
なるほど、世界中の様々な種類のカカオが使われているのがウリの商品なようです。

あまりショコラ事情を知らない私も最近、「Bean to Bar」という言葉をよく目にします。
「Bean to Bar」とは、いち専門店がカカオの買い付け(なんなら栽培から)や焙煎から、製品化まで一貫して手がける仕組みのこと。

ショコラ特集をやっていた最新の『Hanako』や、『メトロミニッツ』(東京メトロの駅に置いてあるフリーマガジン、アートディレクションはあのグルーヴィジョンズ!)でも、「Bean to Bar」は大々的に取り上げられていて、チョコの主要要素であるカカオにフォーカスが当たっている昨今の事情がうかがい知れます。

というわけで、「大地とショコラ」は、そんなカカオへの熱いまなざしが現れている、まさに“今っぽい一箱”だと言うことができるのではないでしょうか。

モリモリと食べていた友人の所感としては、
「『カカオ』というものをフィーチャーしているので、特殊フレーバーはそんなになく、スタンダードな味わい。
でも、どれもこれも違う味。
はっきりとカカオの差を感じられるのが驚きだった。
カカオの全体像を掴みたいショコラファンにとっては、とても魅力的な足がかりにはなるのでは」

うわー、これもキチンと食べてみたかったなあ。
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さあ、ショコラひとつひとつの感想も見てみましょう。

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写真の左上からスタート。
右へ〜っていう順番です。


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クリステーヌ・フェルベール
〈ヴォリュプテ〉
カルダモンが利いている。
オレンジリキュールの風味を絶妙に活かしているのは、さすがジャムで有名なパティシエという印象。


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ジャン=ポール・エヴァン
〈テール エ ショコラ〉
苦みとロースト感が強いが、うまくミルクでまとめているのでエグ味が一切残らない。
カカオの強い味を楽しめる。


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オテル・デュ・キャップ エデン=ロック
〈サマナ〉
ほんのりとヒノキのような香りがする。
スモーキーさはあるが鼻に抜けるほどの強さはなく、食べやすい。


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フランソワ・ジメネーズ
〈ディプロマティコ〉
食した時はそんなに感じられないが、後味はラム酒の香りが引く。
アルコール臭くないので、お酒が苦手な人でも大丈夫。


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スクレ ドゥ カカオ
〈サオトメ〉
さわやかでしつこくない甘さ出食べやすい。
苦みがほとんどないし、クリームの味は控えめで乳くさくない。


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ベロ エ アンジェリ
〈バライ〉
酸味が強いカカオを、ミルキーさでうまくまとめている。
濃いのにさわやかな味に仕上がっている。
香り華やか。


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ル ショコラ ドゥ アッシュ
〈シュープリーズ〉
これぞカカオという感じの力強い風味。
カカオ70%というだけあって苦みが強いが、エグ味がほとんどないのが見事。


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フレデリック・アヴェッカー
〈パプアジ〉
薬草、ハーブのような癖のある味。
カカオの風味がかなり独特なので、ワインと合わせるといいかも。



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パティスリー・サダハル・アオキ・パリ
〈アリバ オ レ〉
ミルクの風味が強く、かなり甘い。
誰でも食べられる癖のない味に仕上がっている。
子供でも食べられるかも。


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パティシエ エス コヤマ
〈コブミカン〉
タイ料理などでよく使われるコブミカンの香りを使っている。
とてもフレッシュな柑橘系の香りで、エスニックな味わいが特徴。
他にない味。

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以上、「大地とショコラ」でした。

一流ショコラティエたちの「カカオを活かす」という行為に対する解釈、けっこう違うものなんですね。
私も、どこかのタイミングでガッツリと食べ比べて勉強したい、そう思わざるをえません。

そして以上、サロン・デュ・ショコラ2018で売っていたスペシャルなセレクションボックスぜんぶの味レビューを終えたわけですが、なんというか、「チョコ」という言葉だけでは説明できない何かの一端に触れることができて満足です。
そして今後1年、そのとてつもない世界を彷徨い経験値をあげて、「サロン・デュ・ショコラ2019」に突入してやる! そんな気持ちになりましたよ。

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